しかし、会計的にはそうではなく、このように考えます。
「(X+1)年度の税金が24で済んだのはその前の年の▲40という赤字のおかげである。
それがなければ、100の利益に対して40の税金が発生していたはずである。
そうすると、100-40=60というのが、(X+1)年度だけについてみた場合の正しい税引後利益である」。
一方、X年度の税引後利益▲40については、こう考えます。
「この赤字は、欠損金の繰越し期間中にそれを埋め合わせる以上の黒字が出れば税金を減額する元になる。
つまり、▲40の赤字の発生に見合って、その40%の16だけの税金を減額する効果が生じており、これは税当局に対する請求権が生じたのと同じである。
会計上はこの請求権を資産として計上するのが正しい」。
このように考えて税金額を調整するのが税効果会計の考え方です。
▲40という赤字が税金の金額に影響しているわけですが、その影響力を税効果といいます。
その税効果を会計上取り込もうというのが税効果会計です。
そこで、税効果会計では次のような仕訳をします。
X年度においては、繰延税金資産という資産を計上し、繰延税金等調整額という収益(=マイナスの費用)を発生させます。
(X+1)年度にこの反対仕訳を行います。
法人税等も法人税等調整額も費用の勘定科目で、損益計算書では引き算をすることがはっきりしていますので、わざわざ(-)」の符号をつけないのが普通です。
下の表ではわかりやすいように(-)」をつけて示しています)。
この結果、X年度の▲40、(X+1)年度の100という会計上の税引前利益に見合って、税引後利益がそれぞれ、▲24、60と計上されることになります。
それぞれ、税引前利益×60%=税引後利益、となっています。
X年度は左側では繰延税金資産という資産が16増え、右側では利益剰余金が16増えます。
(X+1)年度は逆に左側では繰延税金資産が取り崩され資産が16減り、右側では利益剰余金が16減ります。
結局、(X+1)年度末では税効果会計を採用しなかったのと同じになります。
表で示すと次のとおりです。
すでに説明したように税引前利益からスタートして表示することになっていますので、X年度も(X+1)年度もキャッシュフロー計算書(間接法)への影響はありません。
税引前利益以降の仕訳で、お金の動きを伴わない仕訳からは、キャッシュフロー計算書(間接法)は影響されないのです。
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